お祭りと暮らしを考える

 今回のテーマは「お祭りと暮らしを考える」でしたので、私自身は、「きっと相馬野馬追についての話がたくさなるんだろうなぁ。」と想像していました。でも、ふたを開けてみると、ちょっと意外なことが起こったのです。「神楽」をはじめとする、集落ごとで、共同で担われているお祭りについてはよく話されたのですが、相馬地方の最も大きなお祭りである「野馬追」についてはほとんど話されなかったことです。「暮らし」というテーマをかかげたからでしょうか、「小さなお祭り」について話されたのかもしれません。

 

 さて、最初は、「お祭りと暮らし」について、様々な角度から、自由に話してみる時間でした。例えば今回は、このようなことが語られました。

 

 

 震災と津波によって、元々住んでいた人がばらばらになって、お祭りがなくなりつつあることへの心配。

 

 地域によって、神楽の口上がちがうこと、身体の動かし方が違うこと。

 

 飯舘村のお祭りについて。原発事故によって「暮らし」なくなり、場そのものが空洞になってしまったなかで、お祭りとはどのようなものになるのか。

 

 お祭りには、「変わる」もの、「変える」もの、「変わらない」ものが含まれているのではないか。

 

 そして次は、今まで話してきたことをもとに、キーワードをあげていく時間です。

 

キーワード

 ・   制度

 ・   ルール

 ・   変わる

 ・   変える

 ・   変わらない

 

 といった言葉があげられ、さらに一つ一つの意味を吟味していきました。言いたいことを「言いっ放し」にするのではなく、「今まで話してきたことを受けると、この言葉は一体どういう意味になるのだろうか?」と、しっかりと言葉の意味をつかもうとしながら、さらに粘り強く、考えていく時間です。

 

 さらに、以上のキーワードを使って、お祭りの「定義」と、お祭りについての「問い」を作ってみました。

 

〈定義〉

お祭りとは、ルールにしばられているけれども、時代とともに変わっていくもの。ただし、精神性は変わらない。

 

〈問い〉

人間が極力解放されたとしても、祭りは存在するのか?

 

 2時間という時間でしたが、後半は特に、う〜んと頭をたくさん回転させたような気がします。

 

 また近いうちに企画したいと思いますので、もしよかったらぜひ足をお運びください。最後になりましたが、参加いただいた皆様、本文を読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。